世界の特撮ヒーロージャーナル

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仮面ライダー:その特撮ヒーロー史上の意義

阿部征司ともう1人のプロデューサー平山享とが中心になって製作された『仮面ライダー』という作品は特撮ヒーロー史上どのような意義があるのかについて述べたい。

結論から先に述べれば、『仮面ライダー』の特撮ヒーロー史上での最大の意義は真の意味での等身大変身スーパーヒーローの創造だといえる。

1971年に放送が始まった『仮面ライダー』よりも前、特撮ヒーローには次のように4種類の変身スタイルがあった。(1)キャプテン・マーヴェルのように魔法で変身、(2)バットマンとスーパーマンのように衣装替えで変身、(3)ウルトラマンウルトラセブンのように変身アイテムで変身、(4)光速エスパーのように強化服着用で変身。

これらと違い、仮面ライダーは改造人間なので、ベルトの風車に風が当たると人間の肉体が変化してスーパーヒーローに変身するのだ。『仮面ライダー』より前のスーパーヒーローの「変身」とは魔法を使う場合を除きあくまで比喩的な表現だったが、仮面ライダーの変身は文字通り身体が変わる変身である。ちなみに、ウルトラマンの「変身」は1つの肉体を共有している2つの人格の切り替えといった性格のものであり、仮面ライダーの変身とは違う。(ただし、ウルトラセブンについては議論の余地がある。)

さらに言えば、『仮面ライダー』において変身のフォーマットが確立された。主人公が「変身」と言い、独特のポーズをとって、自分の人間としての肉体をスーパーヒーローの姿に変化させるというフォーマットだ。

仮面ライダー』以後、このフォーマットを採用した数多くの変身スーパーヒーローが創造されて現在に至っている。