ウルトラマンティガ:平成の初代ウルトラマン
今回紹介するのは、1996年から1997年にかけて放送された『ウルトラマンティガ』です。
この番組に登場したウルトラマンティガは、超古代文明が残した巨人の石像に地球平和連合TPCの特捜チームGUTSのマドカ・ダイゴ隊員が光となって一体化したことで復活しました。
ウルトラマンティガの外見上の特徴は、頭部に凹んだ箇所があり、体の色が赤・青紫・銀の3色になっていることです。これは過去のウルトラマンにはなかった特徴です。
さらに、革新的で注目すべき特徴は、タイプチェンジすることです。ティガの基本スタイルはスピードとパワーのバランスがとれているマルチタイプです。その必殺技はゼペリオン光線です。次に、パワーで優れているのが、パワータイプです。その必殺技はデラシウム光流です。そして、スピードに優れ、空中戦の得意なのが、スカイタイプです。その必殺技はランバルト光弾です。なお、パワータイプとスカイタイプは、それぞれ別のスーツアクターが演じました。
『ウルトラマンティガ』は、ストーリーの面でも画期的でした。登場する怪獣は、すべて新しい怪獣で、ウルトラマンシリーズの過去の作品には登場していません。
『ウルトラマンティガ』全体のストーリーの流れとしては、普通の人間だったダイゴが突然手にした力の意味に迷いながらも、戦士として成長し、最後は世界を救うというものです。
しかし、『ウルトラマンティガ』のストーリーでは、主人公のダイゴとエースパイロットでヒロインのヤナセ・レナだけに焦点が当たったわけではありません。
第3話で、イルマ隊長はテレビのインタビューを受け、ウルトラマンティガについて肯定的な意見を述べます。そして、第25話では、彼女は息子と久しぶりに再会します。このどちらのエピソードにも、キリエル人(びと)とキリエロイドが登場して、ウルトラマンティガと戦いました。
第5話では、ムナカタ副隊長が現場で的確な指示を次々と出しました。ただ、彼は酒には弱かった。
第6話では、科学者のホリイがクリッターという生物と交信をしました。彼は、第22話でエザキ・ミチルという女性と出会い、第47話では彼女と結婚しました。
第10話では、射撃の名手のシンジョウが自分の少年時代について語りました。第15話では、彼は妹の恋人に会いました。シンジョウは、戦闘能力が高いのですが、第27話でわかったように、お化けは大変苦手です。
第28話では、ITの天才のヤズミが、彼の希望がかなって、現場に出ました。このエピソードは、怪獣との闘いについてGUTSの各隊員がどう考えているのかがわかる重要なエピソードです。視聴者にも平和の意味について考えさせることになるエピソードです。
第34話では、ダイゴがGUTSに入隊した経緯が描かれました。
第36話では、ヤズミが、過去からタイムスリップしてきた少女と出会いました。
第39話では、ダイゴが、ティガの正体を知った超能力者のキリノとゲームをしました。
第43話と第44話は、熊本県が舞台のエピソードです。この2つのエピソードにはマサキ・ケイゴが登場します。彼はイーヴィルティガに変身して、ティガと戦いました。
第48話では、月面基地の隊長ハヤテが登場しました。このエピソードでは、人間に化けた怪獣がTPC基地を襲いました。
第49話では、ダイゴが過去にタイムスリップして、初代ウルトラマンと共闘しました。
そして、第50話から第52話までが最終章です。世界の滅亡が迫る中、世界中の子供たちが光になって、ティガに力を与えるという感動的な展開がありました。
『ウルトラマンティガ』は、異星人ではない新しいウルトラマン像を確立したことで、ウルトラマンシリーズに新たな可能性をもたらしました。『ウルトラマン80』から16年ぶりに放送された『ウルトラマンティガ』は、まさしく平成の初代ウルトラマンだといえるでしょう。