世界の特撮ヒーロージャーナル

世界中の特撮ヒーローを紹介します。

特撮ヒーローとは何か:ヒーローという単語

このブログで取り上げている特撮ヒーローとはそもそも何なのか。改めて考えてみたい。

 

「特撮ヒーロー」という単語が「特撮」と「ヒーロー」という2つの単語から合成された複合語であることからわかるように、特撮ヒーローはヒーローの1種である。そして、「特撮」は「特殊撮影」の略語で、特殊撮影は映画の撮影方法の1つだから、当然のことながら特撮ヒーローが世界に出現したのは映画が発明された19世紀の末以降のことになる。これに対して、ヒーローは遥か昔から存在していた。

ヒーロー(hero)とは、『オックスフォード新英英辞典』によれば、「その勇気、傑出した業績、または高貴な属性が称賛される人物」である。そして、『ジーニアス英和大辞典』によると、この単語は神格化された人という意味の古典ギリシャherosに由来する。ヒーローという外来語が使われる前、日本語では「英雄」という単語が用いられてきた。『新明解国語辞典』によれば、英雄とは、第1に、「危険や困難に屈することなく、すぐれた判断力・行動力を発揮して、民族・国家や組織の命運にかかわる事業を為し遂げ(ようとし)、時代を超えて多くの人から畏敬の念をいだかれている人物」であり、第2に、「困難や障害を乗り越え、だれしもがそうありたいと思うことを実践して、多くの人に感動を与えるとともに、その存在が誇りだと思われている人物」である。以上のような意味でのヒーロー(英雄)は歴史上は古代から実在し、フィクションにおいても古代の神話から既にその存在が確認できる。

それでは、特撮が使われている映画に登場するヒーローであれば、ただちにこれが特撮ヒーローといえるのだろうか。現在の日本で特撮ヒーローといえば、ウルトラマン仮面ライダースーパー戦隊といったヒーローが思い起こされるだろう。しかし、神話や伝説のヒーローと今挙げた特撮ヒーローは様々な点で違いがある。特撮ヒーローが誕生するには、新しいヒーロー概念をうみだした画期的作品の登場を待たねばならなかった。