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サトリア・ガルーダは日本語では何と訳すべきか(改訂版)

このブログではこれまでサトリア・ガルーダ(Satria Garuda)というインドネシア語を「ガルーダの騎士」と訳してきた。しかし、先月発売された雑誌『特撮ゼロ』創刊・冬の号では「ガルーダの戦士」と訳されている。同誌の編集部は製作者に直接取材して執筆された記事を掲載しており、この点から考えると「ガルーダの戦士」というのが公式の日本語訳だと言っていいのかもしれないが、念のためこれまでの経緯を調査して筆者の結論を述べたい。 そもそも、「ガルーダの騎士」という訳語が登場したのは2013年5月1日にJKT48StuffのANGGA氏がブログに掲載した記事が最初のようだ。この記事は同じ日に放送局のRCTIと同様MNCグループに属するニュースポータルサイトOkezoneに掲載されたインドネシア語の記事を日本語と英語に翻訳して紹介したもので、『ビマ・サトリア・ガルーダ』という番組について日本語で最初に書かれたネットの記事である。放送が始まってからはANGGA氏とその仲間たちがJKT48Stuffのブログを通じて非公式な形で日本語字幕付きバージョンの動画を公開したことで、「ガルーダの騎士」という訳語が普及したようである。2013年9月3日にウィキペディアで開設された項目が「ガルーダの騎士」だったことも普及を促進する効果があったと思われる。 この経緯からみてもわかるように、「ガルーダの騎士」という訳語は非公式な形で登場・普及したものだといえる。公式な訳語が何かを判断するには、製作者側の発言を根拠にする必要がある。 インドネシアの邦字紙じゃかるた新聞によると、2013年5月6日に現地ジャカルタで『ビマ・サトリア・ガルーダ』の制作発表・記者会見が行われた。これに関して同年5月17日に同番組のマスターライセンシーの伊藤忠商事が公表したニュースリリースには「ビーマ・サトリア・ガルーダ/ガルーダの戦士BIMAという意味」という記述がある。 ところが、2014年4月5日に京都大学東南アジア研究所で開催される「新しい東南アジアを見る、学ぶ、食べる」(土屋健治追悼イベント)というイベントの告知(同年2月28日)では、「ガルーダの騎士ビマ」を上映すると書かれており、このイベントの関係者から筆者に寄せられた情報によると、この邦題は伊藤忠商事の担当者からの指示によるものだそうだ。 にもかかわらず、『サトリア・ガルーダ・ビマX』のマスターライセンシーの伊藤忠商事が2014年9月4日に公表したニュースリリースを見ると、「ビーマ・サトリア・ガルーダ/ガルーダの戦士BIMAのという意味」という記述がある。さらに、同年9月3日に公開された日本語字幕付きの予告編では「Satria Garuda」という音声には「ガルーダの戦士」という字幕が付いている。

以上のような経緯から考えて、一時期「ガルーダの騎士」という訳語が公式にも使われたことはあるものの、現在ではやはり「サトリア・ガルーダ」については「ガルーダの戦士」が公式の訳語だといえる。 以上のような次第なので、今後はこのブログでは「ガルーダの戦士」という表現を使い、過去の記事も修正することにする。