世界の特撮ヒーロージャーナル

世界中の特撮ヒーローを紹介します。

特撮ヒーロードラマはどのような点で独立したジャンルといえるのか

このブログではヒーローの種類名である「特撮ヒーロー」と映像作品のジャンル名である「特撮ヒーロードラマ」を区別する。

しかし、「特撮ヒーロードラマ」を含む「特撮ドラマ」を単に特撮を使って撮影されたドラマと定義したのでは、特撮ドラマおよび特撮ヒーロードラマを独立したジャンルだと主張することはできない。現在映像作品の撮影に当たっては、どのようなジャンルでも特撮は使われるのであり、ましてアクションドラマの場合、特撮をまったく使わずに撮影するのは困難だと思われる。

あるジャンルが独立したジャンルだといえるためには、他のジャンルと区別できる特徴が必要だ。特撮が使われている他のジャンルと区別できる特撮ドラマおよび特撮ヒーロードラマの特徴とは何だろうか。アクションドラマの代表的なサブジャンルの刑事(警察)ドラマと、刑事ドラマの側面をもつ特撮ドラマを比較して、この点を考える。

刑事ドラマの『相棒』の場合、その映像には特撮が使われている部分(爆発の描写など)があるが、杉下警部とその相棒が生きている現代日本という世界観を確立するのにも、彼らの活躍を描写するのにも、特撮が中核的な手段となっているとはいえない。これに対して、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の場合、異世界から犯罪者が出現するという世界観を確立するのにも、現代の日本にはない技術を使うパトレンジャーの活躍を描くのにも、特撮は必要不可欠な手段だ。つまり、先の問いに対する答えは、特撮ドラマにおいて作品の世界観の確立およびヒーローの活躍の描写に当たって特撮が中核的な手段となっているということである。

 以上のことから、このブログでは「特撮ドラマ」を、作品の世界観の確立およびヒーローの活躍の描写に当たって特撮が中核的な手段となっているドラマと定義し、作品のヒーローがこのブログの定義する特撮ヒーローに該当する場合「特撮ヒーロードラマ」と呼ぶことにする。